縄張りと順位
縄張りを作る場合、当然ながら場所によって条件の善し悪しがある。すると、ここで場所の取り合いが生まれることになる。その結果、もっともよい場所をもっとも強い個体が取り、弱いものほど条件の悪い場所を取らざるを得なくなる。つまり、個体間の順位によって取り場所が決まってくる。先のメダカの例では、普通は強いものから底の方に大きい縄張りを作り、弱いものは水面近くに小さな縄張りを作る。
これは、特に繁殖期に集まって縄張りを取り合うような場合に起こりがちである。トノサマガエルでは、中央に強い雄が、周辺ほど弱い雄がいる形になる。メスは真っ直ぐに集団の中央に入ってゆくという。
縄張りの意味
縄張りを持つ動物では、一定面積内に生息する数が限られてしまう。これは、個体数維持の面では不利であるが、縄張りを持つ個体については、生活が保障される。繁殖のための縄張りでは、子供はしばらくは縄張り内にとどまれるが、成長すると、自ら縄張りを作れる場所へ出て行かねばならない。このことは、その種の分布を広げる役に立つのかもしれない。
縄張り行動の裏側
アユの場合、縄張りは餌の確保のために役立つと考えられる。実際に、縄張りを持つアユは、縄張りにあぶれたアユよりも大柄である場合が多い。ところが、鮎の遡上数が多い場合には、縄張りが形成されず、多数が群れを作って泳ぎ回る。理論的に考えれば、競争者が多いなら、縄張りの必要性は高まるはずである。これは、縄張りを張ると、侵入する個体が多いために、そのための防衛行動に時間を取られ、餌が取れなくなるためらしい。ところが、その場合にもアユの成長は悪くならない。これは、縄張りの面積が、餌の量から計算すれば本来必要とする面積の数倍に達するためである。縄張りがなくなったからと言って、群れを作ってみんなで平等に喰えば餌不足が生じるわけではないらしい。では、なぜこのような不合理な縄張り面積が生じたのかについては、明確な答えは出ていない。
最近の社会生物学、あるいは行動生態学的研究は、動物の行動をその種の特徴とは見なさず、個々の個体にとって有利な行動が進化するものと見なす。その結果、縄張り行動をする動物でも、すべてがそうするわけではなく、様々な裏側(代替戦略)があることがわかってきた。
たとえば、トノサマガエルの一種で、繁殖の時に縄張りを作るものがある。広くて浅い池に集まり、雄個体のそれぞれが鳴き声を上げるが、このとき互いの距離はほぼ一定になる。これは、近づきすぎるとけんかを始めるからで、けんかの結果、強い個体ほど集団の中央を占める。雌は鳴き声を頼りに集団の中央を目指すので、強い雄が雌と優先的に交接できる。
ところが、実はこの仕組みにのらない雄が一定数存在するという。たとえば、ある個体は、鳴き声を上げずに強い雄の近くに陣取る。鳴き声を上げないので攻撃を受けず、雌が近づくと急にそれと交接しようとするという戦術である。また、あちこち移動しながら、少し鳴いては攻撃を受ける前に逃げるという戦術をとる個体もいるという。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
縄張りにもいろいろな種類があるんですね。勉強になりました。
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